栃木県宇都宮市の動物管理と実態について
地方自治論 国際社会学科 000139C 根上詩子
1.
栃木県宇都宮市の動物管轄地
宇都宮市保健所生活衛生課
犬のみを対象に、登録・狂犬病注射を行っている。犬猫に共通しているのは不妊・去勢手術である。そのほかにも動物の飼い方、注意事項などを呼びかけている。
栃木県動物愛護指導センター
栃木県内の動物に関する苦情に対応する県営機間。また、県民の動物に対する愛護精神の育成・普及に努め、共存を訴える機関でもある。月に一度、センターに保護された子犬のみを対象に譲渡会を開催している。
2.
宇都宮市保健所生活衛生課について。
宇都宮市保健所生活衛生課への必要な届出は(1)犬の登録(監札の交付)(2)狂犬病予防注射の注射済票の交付(3)鑑札の再交付(4)注射済票の再交付(5)抑留犬の返還(6)犬の登録事項変更届(7)犬の死亡届であり、飼い主に義務付けている。
(1)
犬の登録
犬の所有者は、犬を取得した日から30日以内に登録を行わなければならない。登録すると鑑札が交付され、首輪に装着する事を義務付けている。登録料1件3000円。
(2)
狂犬病予防注射の注射済票の交付
狂犬病予防注射は、毎年1回受けなければならなく、注射を受けた犬の所有者には注射済票が交付される。最寄りの動物病院に注射済票がない場合には、獣医師が発行する狂犬病予防注射実施証明書を添付して保健所窓口で注射済票の交付申請の手続きをしなければならない。注射済票は首輪に装着することが義務付けられている。1件550円。
(3) 鑑札の再交付
犬の鑑札をなくした場合や、き損した場合に手続きを行うことで、新しい鑑札を交付される。き損した場合はその鑑札を持参しなければならない。1件1,600円。
(4) 注射済票の再交付
狂犬病予防注射済票をなくした場合やき損した場合に手続きを行うことで、新しい注射済票を交付される。き損した場合はその注射済票を持参しなければならない。1件340円。
(5) 抑留犬の返還
捕獲された犬が自分の飼い犬であることを確認した後、抑留犬変換申請の手続きをしなければならない。犬が未登録の場合は、(1)の登録も併せて必要となる。1頭4,210円。
(6) 犬の登録事項変更届
下の事項が変更となった場合には、変更届が必要である。
@犬の所在地
A犬の所有者
B犬の所有者の氏名又は住所(法人にあっては、法人の名称、事務所の所在地) 。但し他市町村への引越しは除く。
(7) 犬の死亡届
犬の死亡届と一緒に鑑札、注射済票を添付して届出をする。
飼い犬・飼い猫の不妊・去勢手術をする場合の一部費用の補助について。
・補助金の目的
基本的に不妊・去勢手術は飼い主の責任とされている。補助金は、飼い犬等の不妊・去勢手術に要する経費の一部を補助することによって、飼い犬等が不必要に繁殖して不当に捨てられることを防止するとともに、動物愛護を目的としている。
・補助の条件
補助金をうけるには、下記の条件を満たしていなければならない。
@宇都宮市に住民登録している人。(外国人登録法に基づいて登録されている人を含む。)
A一世帯につき、当該年度(4月から翌年3月)に、飼われている犬または猫のいずれか1頭。
B犬の場合は、登録と申請した年度の狂犬病予防注射を受けていること。
C市税を完納していること。
・補助金額
犬 不妊(メス)5.000円 去勢(オス)3.000円
猫 不妊(メス)4.000円 去勢(オス)3.000円
・手続き方法
手術を実施してから1カ月以内に、申請しなければならない。
@不妊・去勢手術を受ける前に動物病院の獣医師に市の補助金を利用したいと伝え、申請書に手術実施獣医師の証明を受ける。
A申請人記入欄に必要事項を記入し、押印する。
B犬の場合、登録番号、狂犬病予防注射番号を記入する。
飼い犬・飼い猫の死体の引き取り
飼っていた犬や猫等が死んだ場合には、有料で引き取ってもらうことができる。
・引き取りに来てもらった場合 1体1,050円
・自分で持ち込んだ場合 1体520円
また飼い主のわからない犬・猫等の死体は、連絡をすれば市の委託を受けた業者が引き取ってくれる。
3. 栃木県動物愛護指導センターについて
栃木県動物愛護指導センターとは
県民の動物に対する愛護精神の育成・普及に努め、動物と人間と社会の共存を県民に訴える機関です。敷地内には子犬や小動物とのふれあいの場がある他、子犬の譲渡会を開くなどもあり、里親募集を呼びかけている。その反面、動物管理センターなどでの殺処分を行うなどの業務も行っている。
里親制度について
栃木県内の保健所または動物愛護センターにて保護・捕獲された犬の中で、子犬に限り無料で月に1回譲渡会を開催し、里親を募集している。
里親になるには
・
譲渡会出席のための事前登録
・
譲渡会参加資格 18歳以上の栃木県民のみ。
・
譲渡条件
@終生飼育する
A家族全員の同意
B飼育環境
C不妊手術の実施
D経済的余裕があること
E適正飼育(譲渡のための講習会、及びしつけ方教室の全2回の受講を誓約)
動物管理センターでの殺処分
犬 |
引取 |
捕獲 |
返還 |
譲渡 |
実験 |
殺処分 |
栃木県 |
2,091 |
4,617 |
270 |
154 |
980 |
5,304 |
宇都宮市 |
471 |
645 |
0 |
0 |
0 |
1,116 |
猫 |
引取 |
捕獲 |
返還 |
譲渡 |
実験 |
殺処分 |
犬猫合計殺処分数 |
計処分 |
栃木県 |
2,217 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2,217 |
7,521 |
9,450 |
宇都宮市 |
813 |
0 |
0 |
0 |
0 |
813 |
1,929 |
|
犬猫殺処分数ワースト5
1位/福岡県 2位/千葉県 3位/兵庫県 4位/愛知県 5位/茨城県
実験払下げ数ワースト5
1位/静岡県 2位/青森県 3位/福岡県 4位/熊本県 5位/栃木県
動物たちが動物管理センターへ連れて行かれる理由
犬や猫が動物管理センター保護される理由の大部分は飼い主に捨てられ、持ち込まれたからである。特に、引越しや近所の苦情、子供が産まれた、病気になった、世話が面倒など飼い主の都合によるものがほとんどで、それらの放棄は全体の8割を占めている。残りの2割は通報などで捕獲された迷い犬だ。猫の場合、基本的に捕獲は行っておらず、全て持ち込みによるもので8割が子猫である。また、譲渡会で引き取ることのできる子犬は、一般の人が持ち込んだ子犬のことで、保健所に持ち込まれた犬猫ではない場合が多い。
実験払い下げについて
実験払い下げとは、動物管理センターに持ち込まれた犬猫を動物実験を行なっている関係機関に引き渡す事です。人によく慣れた犬猫は、おとなしく、実験しやすいという理由から払い下げられていく。これは各自治体によって行っている所と廃止している所がある。現在、栃木県は払い下げを実施しているが、2003年4月より廃止される予定。
殺処分の手段について
保健所に持ち込まれた犬猫は、各自治体によって多少の差があるが、ほとんどが放棄犬猫は即日、迷い犬は3〜7日後には殺処分される。手段は、炭酸ガスによる窒息死が多い。そしてその後は焼却処分される。子犬や子猫は袋詰めにされ、ガスを注入し、袋ごと焼却炉に放り込む。また、地方に多い方法としては、真空処理という内臓破裂を起こす方法や、毒殺、撲殺などが一部では行われている。
参考文献
宇都宮市役所:http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/
ペット愛好家:http://www6.plala.or.jp/nkib/topics-dog-totigi.htm
プラーナ:http://www.prana-japan.com/menu.htm
LIFEBOAT
INFORMATION: http://www.lifeboatjapan.com/
動物実験廃止・全国ネットワーク:http://www.ava-net.net/action-news/top.html
Japan
Animal Network: http://www02.so-net.ne.jp/~tamaco/index.html